仮想通貨取引を行う上で気になるのは、税務処理ではないかと思います。そもそも取引に税金がかかっているのか、売却益にはどれくらい税金がかかるのかなど気になるところは多くあるかと思います。

本記事では、下記にポイントを絞って説明します。

  • 仮想通貨取引に消費税はかかるのか?
  • 仮想通貨取引でかかる税金は?
  • 税金がかかる場合の税率は?

仮想通貨の売買に消費税はかかるのか?

結論からいうと、2018年1月現在、仮想通貨売買に消費税はかかりません。

しかし、以前は仮想通貨取引に関して法律の中でも定義がされていなかったため、仮想通貨自体が商品のように扱われていました。そのため仮想通貨を誰かに売った場合は税区分は課税売上・誰かから仮想通貨を買った場合は課税仕入れと判断され、消費税がかかるようになっていました。

資金決済に関する法律が2017年6月に交付されたことにより状況は一変します。これまで商品のように扱われていた仮想通貨は、公的な紙幣と同じく支払い手段として認められたのです。これは世界的にみても珍しいことで、この法律が施行されたことで国内のビットコイン取引量は飛躍的に伸びました。

さらに同年7月1日以降は消費税法の中の定義も変わり、株や債券などと同じよう有価証券として扱われることとなり、消費税が非課税に変化しました。

消費税法施行令 第9条 

有価証券に類するものの範囲等の第4項には「資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第5項(定義)に規定する仮想通貨及び国際通貨基金協定第15条に規定する特別引出権とする。」

ここで記載されている「特別引出権」はIMFが発行する代替通貨で、国家が経済危機などに陥ったときに使われます。この特別引き出し権も、将来的にはブロックチェーンを用いて電子化されて仮想通貨のような形態になる予定です。

しかしこの法案にも問題点があって、それは施行される前日に買った仮想通貨には消費税がかかり、施行翌日に税込の金額で売却した場合は消費税が還付され実質税負担がかからなくなるというものでした。このような自体をさけるために政府は経過措置を設けて複雑化し、一定の割合以下の取引金額の場合のみ非課税としました。

仮想通貨にかかる税金とは?

仮想通貨取引に消費税がかからなくなったからといって、もちろん税負担が全く無くなったわけではありません。結論から申し上げると、仮想通貨にかかる税金は「所得税」と「住民税」です。

これまで税務署によって返答や対処が違う場合もありましたが、2017年に入ってから法整備と共に統一されました。

ビットコインの利益には所得税と住民税がかかる

ビットコインなどを売買して得られた利益は所得税の課税対象となります。そして、所得区分は雑所得として判断されます。それ以外の気になるポイント4点を以下に記載しました。

① 課税区分は何?

雑所得とは利子所得・配当所得・給与所得・退職所得・不動産所得・山林所得・譲渡所得のいずれにも該当しない場合に適用されます。例としては、年金・恩給・原稿料・印税・アフィリエイト・外国為替取引・先物取引などが挙げられます。

② 課税対象金額は?

混同されやすいのですが課税の対象になるのはあくまでも売買によって得た利益です。売却額全体ではありません。簡単に説明すると、100万円で買ったビットコインを150万円で売れた場合50万円が利益です。この利益額から、取引手数料や諸経費などを抜いた分が、課税対象金額となります。

③ 税率は?

税率は累進課税がとられます。大きな利益を上げれば上げるほど、税率が上がっていきます。これは次の章で詳しく説明します。

同じく投資目的で取引されるFXや株式は特例により所得税と住民税あわせて20%程度の税金しかかからないようになっています。また、所得税の場合は給与と合わせて申告・納税しなければならず、利益が大きくなるにつれて納める税金の額も上がります。

④ 特例はないの?

仮想通貨取引による利益が年間で20万円以下である場合は確定申告する必要はありません。また、仮想通貨内であれば、損益通算が可能です。ビットコインで100万利益があったが、イーサリアムで100万円損した場合は、利益ゼロとされ申告義務がなくなります。

仮想通貨にかかる税金の税率は?

税率は累進課税なので、取引によって得た利益の金額が大きくなれば大きくなるほど増えていくようになっています。下記に所得税+住民税(10%)をあわせた形で税率を並べました。

区分 税率 控除額
年間の利益が20万円以上195万円未満 15%
195万円以上330万円未満 20% 97,500円
330万円以上695万円未満 30% 427,500円
695万円以上900万円未満 33% 636,000円
900万円以上1,800万円未満 43% 1,536,000円
1,800万円以上4,000万円未満 50% 2,796,000円
4,000万円を超える場合 55% 4,796,000円

上記を計算するときに注意したいのが、控除があるということです。例えば、年間の利益が300万円だった場合、

300万× 税率20% – 控除額97,500円が税金額となります。確定申告時の参考にしてください!

仮想通貨に関する法律は動き出したばかり

仮想通貨全体の価格が急上昇したのは、2017年に入ってからでした。法律も2016年には考案されてはいたものの、施行され実際に動き始めたのは同じく2017年以降のことです。

マーケットは日々拡大していますが、現段階では実際に仮想通貨に投資している人は日本人の5%ほどだそうです。これからのマーケットの成長に備え日本では金融庁が主導となって、法整備をしている段階です。

FXも黎明期は利益は雑所得に計上され、最高税率が55%だった時期もありました。しかし2000年代に一気にFX業者が増え、参加する投資家も増えたため、法改正による優遇措置を受けて20%となりました。また、FX業者たちの健全な競争により手数料やスプレッドも低く抑えられています。黎明期は法整備が追いつかず不利な条件であるというのは新しい投資商品が受ける洗礼なのかもしれません。

仮想通貨取引はまだスタート地点にあります。2018年はアルトコインやブロックチェーンを用いたシステムが次々に実用化される予定です。投資する層も広がると予想されるので、より現場に即した法改正が行われる可能性も高そうです。

(編集:RomaneCoin編集部)